平成13年度第2回太平洋イワシ・サバ等長期漁海況予報(要約・抜粋)

平成13年12月14日
福島県水産試験場

漁 況  予測期間:2002(平成14)年1月〜6月

《サバ類》対象海域:犬吠〜常磐海域(まき網)

(1)来遊量:マサバ1歳魚は前年をかなり下回る。2歳魚と3歳魚は前年を上回る。3歳以上の割合は少ない。マサバ全体としては前年を下回る。ゴマサバ1歳魚は前年をやや上回る。2歳魚は前年をやや下回る。ゴマサバ3歳魚は前年を上回る。ゴマサバ全体としては前年並み。さば類全体では前年を下回る。

(2)漁期・漁場:犬吠周辺から常磐海域を中心に漁場が形成される。前年同様にゴマサバの混獲割合が比較的高い。

(3)魚体:マサバは29〜32cm(2歳魚)を主体とし25cm以下(1歳魚)と33cm以上(3歳以上)が混じる。ゴマサバは25〜29cm(1歳魚)と29〜33cm(2歳魚)が漁獲される。33cm以上(3歳魚)のゴマサバも混じる。

《マイワシ》対象海域 北薩〜道東(まき網、船曳網)

(1)来遊量:1歳魚は前年を大きく下回る。2歳魚は極めて低水準であった前年を上回る。全体として前年を大きく下回る。

(2)漁期・漁場:成魚の主漁場は1月は常磐海域、2月は犬吠埼周辺〜九十九里沖、3月〜5月は房総海域。2月までは断続的に漁場形成があるが、3月〜4月は低調となる。5月にやや上向く。未成魚は1月〜2月に常磐南部海域〜鹿島灘でカタクチイワシに混獲される程度。三陸南部〜仙台湾のまき網は1月まで、定置網は4月から。北海道でも6月に定置網に混獲される程度。

(3)魚体:19〜21cm(2歳魚)主体。

《カタクチイワシ》対象海域 北薩〜道東(まき網、船曳網)

(1)来遊量:常磐〜房総のまき網漁場では、3歳魚は前年を大きく下回り、2歳魚は低水準の前年を上回り、1歳魚は前年を下回る。全体としては前年を下回る。

(2)漁期・漁場:南下期の1月は常磐北部〜鹿島灘、2月〜3月は常磐南部〜房総海域が主体。4月以降の北上期は房総〜常磐南部海域が主体。来遊は2月前半までがピークで、その後次第に低調となる。房総海域では成魚産卵群の来遊により5月〜6月に再び漁況が上向く。

(3)魚体:12.5〜13.5cmのゴボウセグロ(2歳魚)主体、2月以降は9〜11cm台の中セグロ・中ゴボウセグロ(1歳魚)が混じる。

海 況 予測期間:2001年(平成13年)12月〜2002年(平成14年)2月
           
(鹿島灘〜常磐南部海域は2002年(平成14年)1月〜6月)

《東北海域》

  1. 近海の黒潮北限位置の強い北偏状態(38゚30N以北)は2月までの間で解消に向かい、やや北偏(36゚30〜37゚30N)となる。
  2. 黒潮系暖水の近海の北限位置は39゚Nまで下がる。
  3. 三陸東方沖の暖水塊は、東へ移動する。
  4. 親潮系第1分枝の張り出しは、平年並(40゚N付近まで)で推移する。
《鹿島灘〜常磐南部海域》
常磐海域の黒潮続流の接岸傾向は、房総半島沖の小蛇行の通過に伴い徐々に離岸し、沿岸域には親潮系冷水が南下する。